インセンティブ
本サイトでもたびたび使ってきた「インセンティブ」という言葉。
「囚人のジレンマの教訓」では、協力するためにはインセンティブが必要だと言いました。
「カルテル」では、裏切ればより多くのお小遣いをもらえるというのがインセンティブになりました。「インセンティブ」とは「誘因」という意味です。
プロ野球でインセンティブ契約といえば、出来高契約のことです。たとえば、 打率3割、ホームラン30本で年俸5000万円アップという契約を、オプションとして入れられるものです。いま現在の年俸1億円の選手が来季、ア. 1億3000万円で契約する イ. ベース1億円で、3割30本達成した場合は1億5000万円、という選択肢が与えられたとして、イを選んだのなら、それはインセンティブ契約です。これはリスクをとると同時に、がんばろうという誘因になります。 1年半にも及んだゼロ金利政策*では、タダでお金が借りられるようになったことが、構造改革の先送りだ、モラルハザードだ、などと言われました。これは効率の悪い工場を閉鎖したり、ムダな子会社の整理をしようとかいった、企業努力をするインセンティブが働かなくなったということです。 心理学や法学でもインセンティブという言葉が使われます。「少年法が甘いことは、少年が犯罪を犯すインセンティブになる」といったかんじでしょうか。 「インセンティブ」という言葉は広く使われます。 ということはインセンティブというのは極めて重要な原理だということが言えます。 経済学者はインセンティブを「本能的で決定的な要素」と考えます。 一見不合理とも思える行動にもインセンティブは働いています。 ドラマ「101回目のプロポーズ」で主人公の武田鉄矢がダンプカーの前に飛び出したのも、なんらかのインセンティブが働いたからです。 とにかくどんな状況でも、人はインセンティブに反応していると考えることができます。 これはある新聞の記事です。
これは、コンドームの使用が、危険なセックスをするインセンティブになるということです。そして結果、性感染症が増えるということです。 そして、これはシートベルトの使用とまったく同じというわけです。 つまりシートベルトの使用は、危険なドライブをするインセンティブになります。その結果、自動車事故は増えます。 ドイツのアウトバーン(高速道路)には制限速度がありません。 危険そうですが、安全に運転しようというインセンティブが働きます。 車の安全性が高くなればなるほど、安全運転をするインセンティブはなくなります。 最近日本でもチャイルドシートの使用が義務化されました。 子供を守るために安全運転をしようとするインセンティブがなくなり、事故が増えることが予想できます。 *・・・2001年3月19日、再びゼロ金利に。7か月ぶり。 http://www.boj.or.jp/seisaku/01/pb/k010319a.htm
★DAIMAJIN のインセンティブ契約 2000年10月 シアトルマリナーズの佐々木主浩投手のインセンティブ契約の内容が出ていたので紹介します。
Mariners' Sasaki wins AL Rookie of the Year award
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