トムとジェリー


今回は「立地ゲーム」です。 ハワイのとあるビーチで、トムとジェリーがそれぞれアイスクリーム屋を出すことにしました。 いまトムが16の位置で店を開くとしましょう。するとジェリーは16より右の位置に店を出しても、店には少しの客しかきません。海水浴客はより近い店に行くからです。 そこでジェリーは16より左の位置、15に店を出します。すると一気に形成は逆転し、 左側75%の客はジェリーのものです。しかしトムはそれを黙って見ていません。 トムはこんどは14に移動します。トムは70%の客をとります。するとまたジェリーは13の位置へ・・・。

さて、勘のいい方はもう気付いているかもしれません。 そうです、これは「ケーキの分割」とまったく同じです。つまりミニマックス定理です。 もしトムが10よりちょっとでも右側に店を出そうとすると、ジェリーはトムの左側に行きます。ジェリーについても同様のことが言えます。 そこでトムとジェリーは背中合わせで10の位置に店を構えることになります。

さてこの簡単なモデルはいろいろなことに適用できます。 たとえばコンビニ戦争。セブンイレブンとローソンはどっちも5の位置に出店し、店舗が並ぶことになります。都会ではコンビニが並んでいるのは珍しくありません。

都心の形成も、まったく同じことです。 中心に中心に商業施設が集まってきます。