あいとのぞみ2


「ルーレットのかけひき」では先に動いたほうが損をするのでした。 自分の賭け方を相手に知られると不利になるのでした。

ヒトミ < 先に賭けたのに勝ったぴょーん 

マキ < 後から賭けたのに負けたよ・・・

では「あいとのぞみ」はどうでしょう。 じつはこれは先に動いたほうが得をするのです。 いまノノが「もうちけっとかったのれす」と切り出したとしたらどうでしょう。 これは「もうえいがにきめたのれす」と言っているのと同じで、 アイは「ほな映画いこかー」となるのではないでしょうか。

ノノ
アイ

じつはこれはゲームが変わっているのです。 同時進行ゲームが交互行動ゲームになっているのです。 ノノが先に動き、アイがその後に動くゲームです。 新しいゲームはつぎのように表現できます。


先行者のノノはなぜ映画を選ぶのでしょう。

「パイの分配」を思い出してください。この交互行動ゲームでは、姉のキョウコと妹のミカはゲームの一番最後から考えていました。なのでアイとノノのゲームも この「後ろから解く」方法で考えてみましょう。

下の図を見てください。 最後に決定するのはアイです。アイは上の点ではパチンコを選びます(利得2と0を比較する)。 下の点では映画を選びます(利得0と1を比較する)。したがってゲームの最後の流れは 青い線で決まります。 するとノノはパチンコを選ぶと利得は1になり、映画を選ぶと利得は2になるので、 映画を選びます。これは緑の線のところです。けっきょくゲームは映画→映画をたどります。これがゲームの均衡です。

この後ろ向きに解く方法をバックワードインダクションといい、求めた答えを部分ゲーム完全均衡といいます。