「ルーレットのかけひき」では先に動いたほうが損をするのでした。
自分の賭け方を相手に知られると不利になるのでした。
< 先に賭けたのに勝ったぴょーん
< 後から賭けたのに負けたよ・・・
では「あいとのぞみ」はどうでしょう。
じつはこれは先に動いたほうが得をするのです。
いまノノが「もうちけっとかったのれす」と切り出したとしたらどうでしょう。
これは「もうえいがにきめたのれす」と言っているのと同じで、
アイは「ほな映画いこかー」となるのではないでしょうか。
じつはこれはゲームが変わっているのです。
同時進行ゲームが交互行動ゲームになっているのです。
ノノが先に動き、アイがその後に動くゲームです。
新しいゲームはつぎのように表現できます。
先行者のノノはなぜ映画を選ぶのでしょう。
「パイの分配」を思い出してください。この交互行動ゲームでは、姉のキョウコと妹のミカはゲームの一番最後から考えていました。なのでアイとノノのゲームも
この「後ろから解く」方法で考えてみましょう。
下の図を見てください。
最後に決定するのはアイです。アイは上の点ではパチンコを選びます(利得2と0を比較する)。
下の点では映画を選びます(利得0と1を比較する)。したがってゲームの最後の流れは
青い線で決まります。
するとノノはパチンコを選ぶと利得は1になり、映画を選ぶと利得は2になるので、
映画を選びます。これは緑の線のところです。けっきょくゲームは映画→映画をたどります。これがゲームの均衡です。
この後ろ向きに解く方法をバックワードインダクションといい、求めた答えを部分ゲーム完全均衡といいます。
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