自己選択メカニズムの別の事例として保険会社『カートマンインシュランス』の営業マンの報酬設計を考えましょう。
営業マンの担当する地域には2つのタイプがあります。
Aタイプは会社に年間40万ドルをもたらしますが、Bタイプは年間20万ドルしかもたらしません。
営業マンたちが地域のタイプを正直に申告することは会社の利益になります。問題はその地域のタイプというのが営業マンにしかわからないということです。
そこでカートマンは営業マンの申告によって次のように報酬体系を変えることにします。
つまり
Aタイプ(40万ドル地域)を申告: 年間1万ドルの基本給+売上の20%の歩合給
Bタイプ(20万ドル地域)を申告: 年間4万ドルの基本給+売上の10%の歩合給
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この自己選択メカニズムは確かに機能します。
いまAタイプを担当する営業マンが地域のタイプを正直に申告するとしましょう。
彼は年間1万ドル+40万ドル*0.2=9万ドルの収入を得ます。
もし偽ってBタイプと申告すると彼は実際4万ドル+40万ドル*0.1=8万ドルしか得られません。
いまBタイプを担当する営業マンが地域のタイプを正直に申告するとしましょう。
彼は年間4万ドル+20万ドル*0.1=6万ドルの収入を得ます。
もし偽ってAタイプと申告すると彼は実際1万ドル+20万ドル*0.2=5万ドルしか得られません。
営業マンたちは正直に申告するインセンティブがあります。
◆参考文献
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