カートマンランド


エリック・カートマン。 fat, racist, foul-mouth の天才企業家。 アニメ『サウスパーク』で管理人が一番好きなキャラクターです。 サウスパークの主人公といえばふつう例の4人組のことを指しますが、 管理人はカートマンが事実上唯一の主人公であると考えます。

さていまカートマンは自身の所有する遊園地『カートマンランド』において あるプロジェクトを計画しています。カートマンはそのプロジェクトのマネージャーとしてクラスメイトのバターズを考えています。

プロジェクト成功の鍵はマネージャーの努力です。 いまマネージャーがすごく頑張ると0.8の確率で60万ドルの収益を生み出しますが、 あまり頑張らないとその60万ドルを生み出す確率は0.6になってしまいます。

さてカートマンにとっての問題はどういう契約をすれば バターズに頑張ってもらえるかということです。

頑張ることにはコストがかかります。バターズにとってすごく頑張ることのコストは、 あまり頑張らない場合に比べて5万ドル多くかかります。

すぐに思いつくのは(基本給に加えて)プロジェクト成功にボーナスを与えるということです。 いまこのボーナスの額をBとしましょう。するとバターズがすごく頑張ることによって得られる期待利得は「基本給+0.8B」です。 あまり頑張らないことによって得られる期待利得は「基本給+0.6B」です。 差は0.2B。もしこの差が5万ドル以上ならバターズは頑張る価値があります。

カートマンは0.2B≧5万のようなBを与えればいいです。つまり25万ドル以上のボーナスです。

このような条件はインセンティブ両立制約 (Incentive Compatibility Constraint) と呼ばれます。( compatible は「矛盾しない」という意味です。)


◆参考文献

  • GAMES OF STRATEGY 
    Avinash K. Dixit, Susan Skeath, W. W. Norton & Co, 1999 

  • 『組織の経済学』 
    ポール・ミルグロム、ジョン・ロバーツ、NTT出版、1997年
    ECONOMICS, ORGANIZATION, & MANAGEMENT (1992)