数々の事業を手がけ成功させてきた天才企業家カートマン。
その彼が将来の人材を育てるために設立したビジネススクールが
『カートマンスクール』です。
ここの卒業生はカートマンが作ってきた企業に就職します。
カートマンは優秀な卒業生には高給を払いますし、
普通の卒業生には普通の給料しか払いません。
いまカートマンは優秀なタイプには年俸15万ドルを払い、普通のタイプには年俸10万ドルを払う意思があります。
ここでカートマンにとっての問題は、優秀な卒業生と普通の卒業生を
どう見分けるかということです。
すぐに思いつくのはビジネススクールの成績で決めるということです。
カートマンは取得した難関科目の単位数によってタイプを見分けることにします。
優秀なタイプは簡単に単位をとれますが、普通のタイプはなかなか単位をとれません。
いま難関科目1単位をとるコストは、優秀なタイプでは6000ドルですが、普通のタイプでは9000ドルです。
カートマンは直感によりこのハードルを8単位にすることにしました。
これは正しいでしょうか?正しいです。
優秀なタイプについて考えましょう。彼は努力せずに年俸10万ドルで妥協することもできます。
しかしそれよりも難関科目8単位を48000ドルかけてとり、年俸を5万ドルアップさせるほうがいいです。(9単位では割に合わないですが。)
普通のタイプについて考えましょう。彼の場合、難関科目8単位を72000ドルかけてとる価値はないです。(5単位だったら割に合いますが。)
こうしてカートマンは優秀なタイプと普通のタイプを分離することができます。
このような「メカニズム」は自己選択メカニズム(自己選択に基づくタイプの分離)と呼ばれます。
(補足) 分離できる単位数は8だけではありません。6、7、8のどれかだったらいいです。
これは連立不等式
(i) 6000n≦50000 (ドル)
(ii) 9000n≧50000 (ドル)
を解くことと同じです。
(i) n≦25/3
(ii) n≧50/9
つまり
50/9≦n≦25/3
これを満たす整数nは 6, 7, 8 です。
自己選択メカニズムはパチスロの設定判別に似ています。
◆参考文献
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