"You're breaking my balls." エリック・カートマンはやり手の交渉人としても知られます。
サウスパークのファンなら誰でもエリックが「ザ・ネゴシエイター」であることを認めるでしょう。
では何が彼をやり手の交渉人たらしめているのでしょうか。
交渉ゲームというのは結局のところ「お互いが思っているようなあたり」で落ち着くはずです。いまカートマンがカイルにある物を売ろうとしているとしましょう。
カートマンのこの品に対する評価額は50ドルで、カイルの評価額は100ドルです。
交渉は50ドルから100ドルの間のどの価格でも成立します。
ところがいまカイルは何らかの理由で「カートマンは90ドル以上でないとぜったい受け入れない」と信じているとしましょう。そしてカートマンもカイルがそう信じていることを知っているとします。このとき交渉は90ドル以上でまとまるでしょう。
これは交渉の結果が「ゲームが始まる前のお互いの予想」に決定的に依存しているということを意味します。ここから交渉に関する問題は「お互いの事前の予想」に関する問題に置き換えられるということがわかります。
では一人の交渉人のパワーとテクニックというのはいったい何でしょうか。
それは「相手の予想をいかに変えさせるか」ということです。
◆参考文献
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