クーポンの経済学


ここまで価格が安定しない企業も珍しいですが、4月19日からマクドナルドは主要なメニューのすべてを新価格にしました。 釣り銭を出す手間を省いて時間を短縮するため、従来1円刻みだった価格を10円刻みにしたそうです。

たしかにマクドナルドではいつもひどく待たされます。 管理人の近所の店は家から徒歩1分のところにあるのですが、近いことに大して意味がありません(※1)。

マクドナルドはクーポンを使った価格が妥当だという声をよく耳にします。 クーポンは価格差別の代表的な例で、情報の非対称性からそれを説明できます。

企業が利益を最大化するためには、できるだけ消費者のタイプを見分けて、それに応じた価格付けしたほうがいいです。 つまり所得あるいは商品への評価が低い層には値段を安くし、そうでない層には高くします。 クーポンはそのための一つの手段で、 それによって中高生のような所得が低い層や、ふだんはマクドナルドを利用しないような評価の低い顧客層を抽出し、低い価格をつけることができます(※2)。


※1 ですが管理人は経済理論を学び、現実をよく観察したので、 (たまにあまりの効率的な非効率に腹を立てることがあるものの)、 マクドナルドで待つことには寛容です。

※2 このことの傍証の一つとして、最近管理人がもらったクーポンにはマックグラン(高級バーガー)がなかったことが挙げられます。