2月に行われたスーパーボウル。
戦後60年を記念し、オープニングセレモニーには
ノルマンディー上陸作戦(D-Day)で戦った元兵士たちが参加しました。
1944年6月6日、ドイツからのヨーロッパ解放を目指す連合軍は「史上最大の作戦」とも呼ばれる大規模兵力をもって
フランスのノルマンディーに上陸しました。
連合軍とドイツ軍の間には上陸する場所について様々な駆け引きがありました。
イギリスから目と鼻の先にあるカレーか、
やや海峡を長く渡らなければならないノルマンディー海岸か。
連合軍としては戦略的価値の高いカレーを攻略できれば一番いいです。
しかしもしドイツ軍が上陸地をカレーと予想したなら、攻略できる確率はかなり低いです。
連合軍の各ケースにおける期待利得を高い順に並べると
1. ドイツ軍がノルマンディーを予想するときカレーに上陸
2. ドイツ軍がカレーを予想するときノルマンディーに上陸
3. ドイツ軍がノルマンディーを予想するときノルマンディーに上陸
4. ドイツ軍がカレーを予想するときカレーに上陸
ということになるでしょう。
相手の予想を外すとき期待利得は高くなり、相手の予想が当たるときは、より攻略しやすいノルマンディーを攻める場合の期待利得が高くなります。
連合軍とドイツ軍はそれぞれどの戦略を選ぶべきでしょうか。
上のような利得関数の場合、純粋戦略の範囲では、最適反応はぐるぐると円を描きます。
実際、上陸地点をめぐってはかなりの情報戦・工作活動が行われました。
結果的にはドイツ軍が場所だけでなく時期をも見誤り、D-Dayは第2次世界大戦でのドイツの敗北を決定付けることになりました。
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