ミュンヘン会談


1938年のミュンヘン会談は、ゲーム理論的にはチキンゲームとして理解できます。

AとBが互いに正面からクルマを走らせる。よけたら負け(チキン)。 自分だけまっすぐ進み、相手だけよけるのが最高。

チェンバレン(A)は先にハンドルを切り、クルマを停車させ、 ヒトラー(B)に道を譲りました。

このことは表面的には絶対間違いありません。

もしミュンヘン会談で英仏がチキンにならず戦争を開始していれば ドイツは負けていた。もし英仏が対ヒトラー宥和政策をとらなければ、ドイツは早い段階で破れ、第2次世界大戦やそれに伴う悲惨な数々のことは起こらなかった、という見方はかなり広く支持されています。

この見方に立てば、(とりわけいわゆるタカ派の人たちにとっては) チェンバレンは「イギリス史上最悪の失策を犯した首相」ということになりますし、 彼の失策は歴史の苦い教訓(ミュンヘンアナロジー)として後世に残すべきものということになります。

一見トリビアですがひょっとすると重要かもしれない事実があります。 「ミュンヘン会談当時、アメリカの駐英大使はJFKの父親だった」。


◆ミュンヘン会談に関するドキュメンタリー

  • NHK海外ドキュメンタリー ヒトラー(6回シリーズ) 第4回「恐喝者」 日本語版 (ZDF、1995年)