消費者余剰(個人)


消費者余剰(Consumers' Surplus)とは 個人の消費者余剰(Consumer's Surplus) を合計したもの

今回から4回シリーズでこれを説明していきます。

今回は Step1 です。まず個人の消費者余剰(Consumer's Surplus)について説明します。 ある消費者(あいぼん)がキャンディーの取引から得られる パイの大きさを考えましょう。

いまあいぼん あいぼん のキャンディーに対する評価が

1単位目: 4ドル
2単位目: 3ドル
3単位目: 2ドル
4単位目: 0.5ドル

であるとします。(ここで評価とは「限界評価(Marginal Value)」のことです。 その1単位を追加するとどれだけ合計の評価額が増えるか という意味での評価ということです。)

あいぼんのキャンディーの評価をグラフにすると 下のようになります。 これはあいぼんの限界評価曲線(Marginal Value Curve)とよばれます。

これは棒グラフで示すこともできます。この場合、水色の部分が評価額になります。 以下で評価とかパイの話をするときはこっちを考えるほうがわかりやすいかもしれません。

さていまキャンディーの価格は1ドルです。 あいぼんはキャンディーを何単位購入するでしょうか? これは3単位です。 なぜなら3単位目までは評価額が価格(1ドル)を上回っている ので購入します。4単位目は評価額が0.5ドルで、 価格(1ドル)の方が高いのであきらめます。 (ここで価格は「コスト」と読み替えてもいいです。)

ではこの取引であいぼんが得たパイの分け前はいくらでしょうか。 これは

1単位目で 評価額-価格 = 4-1 = 3ドル
2単位目で 評価額-価格 = 3-1 = 2ドル
3単位目で 評価額-価格 = 2-1 = 1ドル

「おいしい」おもいをしているのですから、 これらの合計 3+2+1 = 6ドルになります。

これはグラフにかくと下のようになります。 水色の部分の面積があいぼんの得たパイの大きさになります。 (上の棒グラフで評価の大きさが価格(コスト)の分だけ削れたと 考えればわかりやすいです。)これはだいたい限界評価曲線と価格p=1で挟まれた部分の面積と同じです。

ここであいぼんの得たパイの大きさ6ドルを あいぼんの得た消費者余剰(Consumer's Surplus)といいます。