生産者余剰(個人)


生産者余剰(Producers' Surplus)とは 個人の生産者余剰(Producer's Surplus) を合計したもの

今回から4回シリーズでこれを説明していきます。

今回は Step1 です。まず個人の生産者余剰(Producer's Surplus)について説明します。 ある生産者(ののたん)がキャンディーの取引から得られる パイの大きさを考えましょう。

いまののたん ののたん のキャンディーを作るコストが

1単位目: 0.5ドル
2単位目: 0.7ドル
3単位目: 0.9ドル
4単位目: 1.1ドル

であるとします。(ここでコストとは「限界費用(Marginal Cost)」のことです。 その1単位を追加するとどれだけ合計のコストが増えるか という意味でのコストということです。)

ののたんのキャンディー生産のコストをグラフにすると 下のようになります。 これはののたんの限界費用曲線(Marginal Cost Curve)とよばれます。

これは棒グラフで示すこともできます。この場合、灰色の部分がコストになります。 以下でコストとかパイの話をするときはこっちを考えるほうがわかりやすいかもしれません。

さていまキャンディーの価格は1ドルです。 ののたんはキャンディーを何単位作るでしょうか? これは3単位です。 なぜなら3単位目までは価格(1ドル)がコストを上回っている ので作ります。4単位目はコストが1.1ドルで、 価格(1ドル)より高くなるので作りません。

ではこの取引でののたんが得たパイの分け前はいくらでしょうか。 これは

1単位目で 価格-コスト = 1-0.5 = 0.5ドル
2単位目で 価格-コスト = 1-0.7 = 0.3ドル
3単位目で 価格-コスト = 1-0.9 = 0.1ドル

「おいしい」おもいをしているのですから、 これらの合計 0.5+0.3+0.1 = 0.9ドルになります。

これはグラフにかくと下のようになります。 桃色の部分の面積がののたんの得たパイの大きさになります。 (上の棒グラフで価格からコストの分だけ削れたと 考えればわかりやすいです。)これはだいたい限界費用曲線と価格p=1で挟まれた部分の面積と同じです。

ここでののたんの得たパイの大きさ0.9ドルを ののたんの得た生産者余剰(Producer's Surplus)といいます。