幾何分布


「独立試行」で、 n プレイ以内連チャン率は z = 1-(1-p)n によって簡単に計算できることがわかりました。 またこれを用いると、グラフにしたとき、いろいろな p での比較が容易でした。

じつはこれは余事象の考え方をうまく使ったからなのです。 そこで今回は、余事象を使わないで、独立試行を考えてみることにします。 nプレイ以内で当たるという意味がもっとはっきりとわかるとおもいます。

いま、BIG確率が 1/241 であるとします。 するとBIGが100プレイ目ではじめて当たる確率というのはいくらになるでしょうか。 これは

P(100) = (240/241)99(1/241)

です。ハズレ→ハズレ→・・・を99回繰り返して、100回目に当たり、 ということなのでこうなります。

BIG確率が 1/241 のとき、 x プレイ目ではじめて当たる確率は

P(x) = (240/241)x-1(1/241)

です。

では、BIG確率が 1/241 のとき、100プレイ以内に当たる確率というのはいくらになるでしょうか。 これは、1プレイ目ではじめて当たる、または2プレイ目ではじめて当たる、または・・・または100プレイ目ではじめて当たる、と考えて

P(1)+P(2)+ ・・・ +P(100)
= (240/241)0(1/241)+(240/241)1(1/241) ・・・ +(240/241)99(1/241)

です。 Excel でこれを計算すると 0.340 になります。


◆幾何分布

いまBIG確率を p とします。すると x プレイ目ではじめてBIGが当たる確率は

P(x) = (1-p)x-1p

n プレイ以内連チャン率は

P(1)+P(2)+・・・+P(n)

P(x)は x が大きくなるにしたがって幾何級数的に小さくなります。そこでこのような確率分布は幾何分布とよばれます。

1回の観察においてある事象が起こる確率を p とするとき、その事象がはじめて起こるまでに x 回の観察を行なわなければならないとすれば、 x は 1, 2, 3,…… の値をとる確率変数であり、その確率分布は

P(x) = (1-p)x-1p

である 。これを幾何分布という。