今まではハマリを1回のBIGで考えていましたが、
これを数回のBIGで考えてみようというのが
「負の二項分布」です。
たとえばBIG確率 1/241 で、554プレイ以上ハマる確率は10%
ですが、BIG5回を引くために、3560プレイ以上使う確率は0.1%です。
負の二項分布が二項分布と違う点は、
二項分布がBIG回数を変数にするのに対し、
負の二項分布はプレイ数を変数にするということです。
◆二項分布
確率 p をもつ事象が n 回の観察で x 回起こる確率は
P(x) = nCxpxqn-x
である (q=1-p) 。この式で表される確率分布を二項分布という。
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確率 1/241 のBIGが、1000プレイでちょうど5回当たる確率
は
P(1000) = 1000C5(1/241)5(240/241)995
= COMBIN(1000, 5)*(1/241)^5*(240/241)^995 = 0.162
です。
Excel には二項分布のための関数が用意されており、
ふつうは、BINOMDIST関数(false)で求めます。
書式は BINOMDIST(成功数, 試行回数, 成功率, 関数形式) です。
よって
BINOMDIST(5,1000,1/241,0) = 0.162
になります。
◆負の二項分布
1回の観察においてある事象が起こる確率を p とする。その事象が r 回起こるまでに
x 回の観察を行なわなければならないとすれば、 x は r, r+1, r+2,……
の値をとる確率変数であり、その確率分布は
P(x) = x-1Cr-1prqx-r
である (q=1-p) 。これを負の二項分布という。
<証明>
(x-1) 回目までに(r-1) 回○で、最後 x 回目に○ということだから
x-1Cr-1 × ( pr-1q(x-1)-(r-1) × p )
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当たりがたとえば5回くるまでに、いったい何プレイぐらいしなければならないのだろう、
とかいうのを考えるときがこれです。
いま、BIGの確率を 1/241 とします。BIGが5回くるまでに行なうプレイ数は確率変数です。
5回くるまでのプレイ数とは、5回目が何プレイ目にくるかということです。
5プレイ目に5回目がくる確率は
(1/241)(1/241)(1/241)(1/241)(1/241) = (1/241)5
6プレイ目に5回目がくる確率。5プレイ目までに4回当たり、
6プレイ目で5回目が当たるということなので、
これはつぎのような5通りのケースが考えられます。
○○○○× ○
○○○×○ ○
○○×○○ ○
○×○○○ ○
×○○○○ ○
それぞれの確率は
(1/241)5(240/241)1
ですから、
確率は
5C4(1/241)5(240/241)1
です。
同様に考えて、7プレイ目に5回目がくる確率は、
6プレイ目までに4回当たり、
7プレイ目で5回目が当たるということですから、
6C4(1/241)4(240/241)2*(1/241)
=6C4(1/241)5(240/241)2
です。
結局、 x プレイで5回くる確率は
P(x) = x-1C4(1/241)5(240/241)x-5
= COMBIN(x-1, 4)*(1/241)^5*(240/241)^(x-5)
負の二項分布にも関数が用意されています。
NEGBINOMDIST 関数というのがそれです。
negative binomial distribution の略です。
書式は
NEGBINOMDIST(失敗数, 成功数, 成功率)
です。
P(x) = x-1C4(1/241)5(240/241)x-5
= COMBIN(x-1, 4)*(1/241)^5*(240/241)^(x-5)
=
NEGBINOMDIST(x-5, 5, 1/241)
を x = 5, 6, …… で計算します。
BIG確率 1/241 の場合、5回目のBIGを引く確率が最も高いのは
964 または 965 プレイ目で、確率は 0.000812337 です。
1126プレイ目までに5回目を引ける確率は50%
1925プレイ目までに5回目を引ける確率は90%
2204プレイ目までに5回目を引ける確率は95%
2793プレイ目までに5回目を引ける確率は99%
3560プレイ目までに5回目を引ける確率は99.9%
このようなことを、いろいろなBIG回数でやってみたのが次の表です。
BIG確率 1/241
※表の見方: たとえば「2700プレイ打てば99.9%の確率で3回引く」のように見ます。
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