期待値


今回は「シミュレーション2」で出てきたペイアウト率の話です。 ペイアウト率とは、コイン1枚に対して何枚戻ってくるかということです。 たとえばペイアウト率110%ならば、21000枚(7000プレイ)の投入に対して 23100枚の払出があるということです。 純増枚数は2100枚。これはペイアウト率から1を引いたもの、すなわち10%を 投入枚数に掛けたものです。


(設定6、5.5枚交換)

上で求めている PAYOUT は実際のペイアウト率です。

投入枚数は 8476*3=25428

純増枚数は<交換した枚数>から<自分で入れた枚数>を引いて求めます。

交換した枚数は (37000/100)*5.5=2035
自分で入れた枚数は (4000/1000)*50=200
よって純増枚数は 2035-200=1835

したがって払出枚数は
投入枚数+純増枚数=25428+1835=27263
よってペイアウト率は 27263/25428=1.0722  107.2%です。

◆理論上のペイアウト率はどうやって求めるのでしょう。 それには1プレイ当たりの期待値を考えます。つまり3枚の投入に対して平均何枚 戻ってくるかということです。これは
BIG枚数×BIG確率+REG枚数×REG確率+小役払出率×3
です。

(ただし、ペイアウト率を計算するときは、リプレイは3枚小役と考えます。 よって、小役払出率はリプレイを含む小役払出率です。 これは 減算値/加算値 で求められる小役払出率に 8.3/7.3 を掛けたものです。 )

よって1枚当たりの期待値、すなわちペイアウト率は
(BIG枚数×BIG確率+REG枚数×REG確率+小役払出率×3)/3
です。

この式を扱いやすくするために、次のように変形します。
(BIG枚数×BIG確率)/3+(REG枚数×REG確率)/3+小役払出率
これが BIG割+REG割+小役割 ということです。

たとえばニューパルサーの設定6の場合、
BIG割 = 373.55*(1/240.94)/3 = 0.516795
REG割 = 123.11*(1/364.09)/3 = 0.112710
小役割 = (107/256)*(8.3/7.3) = 0.475225 (※)
これらを加えて 1.104730 
よってペイアウト率は 110.47% になります。


リプレイを含む小役払出率 (107/256)*(8.3/7.3) は次のように考えます。 まずリプレイの当たる確率は 1/7.3 です。 よって7.3プレイごとに1プレイ、投入枚数0でプレイできます。 いま、リプレイを除いたとき、1プレイ当たりの払出枚数は 3*(107/256)枚、投入枚数は3枚。 ところが、リプレイを含めた場合、 7.3プレイ分の投入で8.3プレイできるということだから、 1プレイ当たりの投入コストが7.3/8.3になったということです。 よって1プレイ当たりでみると、 3*(7.3/8.3)枚の投入に対し、3*(107/256)枚の払出があるということだから、 1枚の投入に対しては、(107/256)/(7.3/8.3)枚の払出です。

レンタルビデオ10本借りると1本無料というのと同じです。 1本300円とすると、実際は 3000/11=300*(10/11)=273 円です。