無限級数の和


ハマリの期待値は p-1

いまBIG確率を p とすると、平均して p-1 プレイはまります。 つまりハマリの期待値は p-1 です。いいかえると、 当たるまでの平均プレイ数は p-1 です。

いまBIG確率を 1/241 としましょう。 当たるまでのプレイ数の期待値は

M = (1×1プレイ目で当たる確率)+(2×2プレイ目で当たる確率)+(3×3プレイ目で当たる確率)+ ・・・
= 1*(240/241)0(1/241) + 2*(240/241)1(1/241) + 3*(240/241)2(1/241)+ ・・・
= 241

(Excel で n=5000 ぐらいまでの和をとってみると、 241 に収束することがわかります。)


★無限級数の和の計算

S = Σ[n=1,∞]n(240/241)n-1 を計算します。それにはまず部分和Snをつくります。

Sn = 1(240/241)0 + 2(240/241)1 + ・・・ + n(240/241)n-1

(240/241)Sn を作って差をとります。

(240/241)Sn =    1(240/241)1 + 2(240/241)2 + ・・・ + (n-1)(240/241)n-1 + n(240/241)n

(1/241)Sn = { (240/241)0 + (240/241)1 + (240/241)2 + ・・・ + (240/241)n-1 } - n(240/241)n

Sn = 241 [{ (240/241)0 + (240/241)1 + (240/241)2 + ・・・ + (240/241)n-1 } - n(240/241)n]

この部分和に対して n → ∞ とすると、 { } の中は初項 1 、公比 240/241 の無限等比級数なので和は 1/(1-(240/241)) = 1/(1/241) = 241 。また n(240/241)n → 0 ( Excel で n=106 ぐらいを計算してみると 0 に収束することがわかります )

したがって n → ∞ で Sn → 2412
S = 2412

∴ M = 241

★無限級数の和の公式

これは公式を使うと簡単です。

より

M = (1/241)(1/241)-2 = (1/241)-1 = 241

(公式の証明)

まず部分和Snをつくります。

Sn = 1r0 + 2r1 + ・・・+ nrn-1

rSn を作って差をとります。

rSn =    1r1 + 2r2 + ・・・ + (n-1)rn-1 + nrn

(1-r)Sn = { r0 + r1 + r2 + ・・・ + rn-1 } - nrn

Sn = (1-r)-1 [{ r0 + r1 + r2 + ・・・ + rn-1 } - nrn]

ここで -1 < r < 1 とします。 このとき、この部分和に対して n → ∞ とすると、 { } の中は初項 1 、公比 r の無限等比級数なので和は 1/(1-r)=(1-r)-1 。また nrn → 0

よって Sn → (1-r)-2


まとめると下のようになります。

BIG確率を p とする。BIGが当たるまでのプレイ数(ハマリ)の期待値は